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夜中に急に目が覚めて眠れなくなる

中途覚醒とは?特徴と症状

中途覚醒は、睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態を指します。通常、人は一晩に数回は自然に目覚めることがあるものの、それが自覚できるほど長く続くことはほとんどありません。しかし、中途覚醒が問題となるのは、いったん目が覚めると再び寝付くのに時間がかかる、もしくは完全に目が覚めてしまうような状態に陥ってしまうことです。

中途覚醒が毎日のように起こると、熟睡感が得られずに起床後の心身の状態に悪影響が及びます。とくに夜中に尿意が起こったり、悪い夢を見たりして度々目が覚めて睡眠が妨げられている場合には、何らかの病気が隠れていることもあるため注意が必要です。

また、たとえ病気がなくても、日中に居眠りやうたた寝を頻繫にするような生活習慣のある人も、夜間の睡眠が不安定になってしまい、中途覚醒を起こしやすくなる傾向があります。

中途覚醒になりやすい人

中途覚醒は不眠のタイプで最も多く、60歳以上ではおよそ20%以上の方が経験するといわれています。ほかの不眠症と比べると、加齢とともに起こりやすくなるのが特徴です。加齢によって眠りが浅くなる高齢者に多発する傾向がありますので、年齢を重ねるにつれて対策が必要です。

中途覚醒の受診のタイミング

年齢を重ねるにつれて、一般的に深い眠りが徐々に少なくなり、就寝中に目が覚めやすくなります。小さい振動や物音などの刺激に反応しやすくなるなど、こうした変化は加齢に伴う自然な老化現象です。そのため、就寝中に目が覚めても再び眠りにつくことができたり、日常生活に支障をきたしたりするようなことがなければ、過度な心配はいりません。

一方で、夜間の睡眠が断続的であることで十分に休息できず、日中に常に疲労感を感じるような方は、一度、受診することをお勧めします。睡眠不足は、脳の認知機能に影響を与え、集中力や注意力が低下することがあります。さらに仕事や日常動作におけるパフォーマンスが低下します。睡眠不足は、感情のコントロールを難しくし、イライラしやすくなったり、抑うつ感を感じやすくなったりすることがあります。心当たりがあれば、日常生活に支障をきたす前に受診して、適切な治療を受けることが大切です。慢性的な中途覚醒は、長期的に見ると、心血管疾患や糖尿病、高血圧などの健康リスクを増加させる可能性もありますので、ふとした違和感を逃さないように注意しましょう。

中途覚醒の主な原因

中途覚醒には様々な原因があり、患者さん個人の健康状態や生活習慣、環境要因によって異なります。

夜間頻尿

中高年や高齢者の方は、夜中に何度もトイレに行くために目が覚めてしまうことがあります。このように、就寝中に起こる尿意が中途覚醒の原因になっていることが多いです。

夜中に頻繁にトイレに起きることを「夜間頻尿」といいます。腎臓や膀胱などの泌尿器が機能低下すると、排尿回数が増えやすくなります。男性の場合は、前立腺が肥大してトイレが近くなる人も少なくありません。また、利尿薬の服用をしている方は多尿になりますので、睡眠に支障をきたしている方は、一度かかりつけ医に相談することをお勧めします。

睡眠時無呼吸症(SAS)

中途覚醒の最も一般的な原因の一つが、睡眠時無呼吸症候群です。この状態では、睡眠中に繰り返し呼吸が止まり、そのたびに目が覚めることがあります。これにより、深い睡眠が妨げられ、夜間に何度も覚醒することになります。就寝中に舌の根元が落ち込んで気道がふさがり、睡眠中に呼吸が止まってしまうことが要因の一つとして考えられます。そのほかにも、睡眠時無呼吸症は様々な原因で発症するため、適切な検査が必要です。

慢性痛

関節炎や腰痛など、慢性的な痛みがある場合、寝返りを打つたびに痛みが生じて目が覚めることがあります。また、痛みが強い場合は、再び寝付くのが難しくなることもあります。

胃食道逆流症(GERD)

胃酸が逆流して食道に入り、胸焼けを引き起こすことがあります。これが睡眠中に起こると、痛みや不快感で目が覚めることがあります。

ストレスや不安

日中のストレスや不安が、夜間に脳を活発にし、浅い睡眠を引き起こすことがあります。これは自律神経(無意識に血管や内臓の働きを支配する神経)のうち、心身の働きを活発にする交感神経が優位になっている状態です。この状態では、些細な物音や身体の不快感で簡単に目が覚めてしまい、再び寝付くのが難しくなることがあります。

抑うつ

抑うつ状態にある人は、夜間に目が覚めやすくなることがあります。抑うつによる否定的な思考や不安感が、再び寝付くのを妨げることがあります。

中途覚醒で処方される睡眠薬の種類と料金

初診料、診察料は0円

当院では、中途覚醒の治療として薬物療法をおこないます。睡眠薬は一時的な症状緩和のために、医師の指導の下で処方されます。お薬の長期使用にともなう依存や副作用のリスクを不安視される患者さんについて、当院では医師が慎重に管理しながらサポートしていきますので、ご安心ください。

診察料、初診料、再診料、処方料はすべて無料です。料金表以外の料金はいただきません。

不眠治療薬のご紹介 料金
超短時間型睡眠導入剤
(例:ハルシオン、マイスリーなど)
3,800円~4,800円(税込)
短時間型睡眠導入剤
(例:レンドルミンなど)
3,300円(税込)
中間型睡眠薬
(例:サイレース、ユーロジンなど)
2,200円~3,800円(税込)
短時間型抗不安薬
(例:デパス、ソラナックスなど)
2,200円(税込)

使用する睡眠薬の種類によっては長期に服用した場合に依存に陥り、服薬がやめにくくなる恐れもあります。必ず医師の指示に従って服用することが重要です。

睡眠薬の種類について

国内正規品のみ提供

睡眠薬は、不眠の症状のタイプと薬の作用時間を基準にして選びます。 中途覚醒の症状がある方には、主にベンゾジアゼピン受容体作動薬という睡眠薬が処方されます。この薬は大脳のGABA(γアミノ酸酪)受容体に作用し、情動や意欲などを制御することで脳の活動を鎮め、睡眠効果をもたらすことが期待できます。この薬は作用の持続時間が長いものから短いものまでいくつかの種類があります(主に超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型の4タイプ)。夜中に目が覚めたり、睡眠が浅かったりする症状にお悩みの患者さんには、一般的に中間作用型や長時間作用型の睡眠薬が処方されます。朝まで作用が持続することで、中途覚醒が起こりにくくなります。

中途覚醒の予防と対策

夜中に急に目が覚めて眠れなくなる方へ

中途覚醒は生活習慣の影響が大きく関わっていることが多いです。日々の生活で不眠を悪化させる要因が無いかを考え理解し、改善しましょう。

アルコールやカフェインを控える

アルコールは一時的に眠気を誘発することがありますが、その後、睡眠の深さを浅くし、中途覚醒を引き起こすことがあります。特に、アルコールが分解される過程で体温が上昇し、覚醒を促進することがあります。
カフェインは脳を刺激し、眠気を抑制する効果があります。特に夕方以降にカフェインを摂取すると、夜間の覚醒や入眠障害を引き起こすことがあります。

夜中に目が覚めてその後、なかなか寝付けなくなるという方は、アルコールやカフェインの摂取を控えましょう。

不規則な睡眠パターンを見直す

就寝時間や起床時間が不規則であると、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下することがあります。これにより、夜間に目が覚めやすくなることがあります。なるべく同じ時間に寝床につき、同じ時間に起床する習慣をつけましょう。

寝室の環境を整える

寝室の温度が高すぎたり低すぎたりする場合や、騒音がある場合、寝具が合わない場合などは深い睡眠が妨げられ、中途覚醒が生じやすくなります。寝室が明るすぎると、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制され、覚醒しやすくなることがあります。また、夜間にスマートフォンやタブレットなどのスクリーンを使用することも、同様の影響を及ぼすため注意が必要です。
また、同室でご夫婦が就寝されるケースで、ベッドパートナーのいびきの影響を受けて不眠になってしまう方も少なくありません。一度、寝室の環境を見直してみましょう。

中途覚醒に関するよくあるご質問

中途覚醒が起こり、なかなか寝付けない場合も、そのまま寝床にいた方がよいでしょうか?

睡眠時間にもよりますが、無理に眠ろうとするのはお勧めできません。 睡眠時間は長ければ長いほど良いというわけではなく、睡眠の時間よりも質が重要と考えられています。とくに中高年・高齢者の方が、若いころと同じ睡眠時間を無理に取ろうとしてしまうと、途中で目が覚めたり、眠りが浅くなったりします。また、寝付けないのに無理に寝床にいると、「眠れない、どうしよう」と不安になり、ますます寝付けなくなるという悪循環に陥ってしまうことがあるため注意が必要です。起床したときに不快感を覚える方は、寝床の中で眠れずに過ごす時間をなるべく減らしてみましょう

夜中に何度もトイレに行きたくなり、目が覚めてしまいます。

病気が隠れていないか、専門機関を受診して検査をしましょう。 夜間にトイレに頻繁に起きて目が覚めてしまうという方は、夜間頻尿が疑われます。その原因として泌尿器や内臓の病気が考えられます。男性の場合は前立腺肥大や前立腺がんがあると、尿が膀胱にたまっただけでも尿意を感じることがあります。女性の場合は、膀胱炎によって夜間頻尿が起こる場合があります。そのほか、男性・女性共に、尿路結石や膀胱結石、糖尿病などの疾患も夜間頻尿の原因としてあげられます。
過度のストレスによって、目が覚めることが多くなる人も少なくありません。自律神経のうち交感神経が優位になり、夜間の排尿回数が増えることがあります。心当たりのある方は、泌尿器科や内科を受診して一度診察をしてもらいましょう。

悪い夢をみて、うなされて夜中に目が覚めることがあり寝不足が続いています。中途覚醒の症状でしょうか?

悪夢障害という睡眠障害の可能性があります。
長くて極度に不快な夢を繰り返し見て、夢の内容をよく覚えているというケースが多いです。単なる夢とは違って、不安や恐怖、怒りや嫌悪を伴うことが多いのが悪夢の特徴です。
悪夢を繰り返し見てしまうことで睡眠が妨げられ、日常生活に支障をきたしてしまう睡眠障害を「悪夢障害」といいます。再び寝ようとすると、また悪夢を見るのではないかと眠るのが怖くなってしまい、日中に強い睡魔に襲われ、注意力の低下や事故の原因にもつながります。
他の睡眠障害・不眠症と区別するためにも、一度受診して相談してください。