入眠障害とは?特徴と症状
入眠障害は、文字通り「眠りにつくことが難しい状態」を指します。入眠するまでに時間がかかるタイプの睡眠障害で、中高年や高齢者だけでなく、若い人にも起こりやすい睡眠トラブルとしてあげられます。
入眠障害は単に眠れないというだけでなく、その影響を受けて日中に様々なトラブルを引き起こすことが多いという点が問題視されます。
例えば、昼間の眠気による集中力の低下、記憶力の低下、気分の変動、さらには抑うつ症状や不安感などが挙げられます。日中の眠気や疲労感は、仕事や学業におけるパフォーマンス低下を招きます。注意力や判断力が低下することで、交通事故などのリスクが高まることも懸念されます。さらに、慢性的な睡眠不足は、抑うつや不安障害のリスクを高め、さらには心血管疾患や肥満、糖尿病のリスクも増大させるとされています。
このように、入眠障害が長期間続くと、生活の質に大きな影響を与え、やがて心身の健康に深刻な影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
当院では「寝床に入ってもなかなか眠れない」という入眠障害でお悩みの方に対して、患者さんが生活習慣の改善を図れるようにサポートさせていただきながら、体質に合わせた睡眠薬による適切な治療を行っています。これまで多くの方が入眠障害から解放され、質の高い睡眠を取り戻すことができます。お悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
入眠障害になりやすい人
不眠は高齢になるほど起こりやすい傾向がありますが、他のタイプの睡眠障害と比べると、入眠障害は年齢による著しい差は認められず、若い人にもよく起こりやすいとされています。
一方で、ストレス耐性が弱い人、神経質でストレスを感じやすい人は、入眠障害が起こりやすいといわれています。ストレス耐性は人それぞれで異なりますが、真面目で完璧主義の人やおとなしくて自己主張が苦手な人は、概してストレスに弱いと考えられます。そのような場合は、大きなストレスを受けると寝つきが悪くなり、やがて本格的な不眠症を発症することがあるため注意が必要です。
入眠障害の受診のタイミング
入眠するまでの時間が明らかに長く、強い眠気などで日常生活に著しい支障が現れているときには治療が必要です。一般的に、入眠に30分以上かかり、それを本人が苦痛に感じている場合に入眠障害が疑われます。これに加え、寝つきにくさが頻繁に(例えば、週に3回以上)生じ、かつそれが1ヶ月以上続く場合には、診断基準を満たす可能性が高いです。心当たりのある方は、一度受診することをお勧めいたします。年齢を重ねると、多かれ少なかれ寝つきの悪さを感じる方は増えていきます。入眠までの時間には個人差があるため、判断が難しいこともあるでしょう。入眠に時間がかかるとしても、その後、眠りに就くと安眠して朝を迎えられるという方も少なくありません。そのため、たとえ入眠に30分以上かかったからといって、いちがいに病的な状態と診断される訳ではありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
入眠障害の主な原因
入眠障害の原因は多岐にわたりますが、ストレスや眠れないことへの不安といった、心の問題であることが多いです。ストレスと、眠れないことへの不安を分けて考えることが重要です。そのほか、周囲の騒音や、体の痛み、かゆみによって入眠が妨げられているケースも少なくありません。
日常生活の中で起こるストレスや不安
仕事や人間関係の問題、経済的な不安など、日常生活の中で感じるストレスや不安が、夜になっても頭から離れないことがあります。たとえば職場の上司から怒られたり、お客さんとトラブルがあったり、夫婦喧嘩をしたりして、鬱屈してしまう状態です。これが、脳を覚醒状態にしてしまい、頭がさえて睡眠とのバランスが乱れ、寝つきを悪くする要因となります。
眠れないことへの不安
寝つきが悪くて苦しんだ経験をすると、次第に眠りに対するこだわりが強くなります。そして一定時間以上眠れなくなると、「自分は病気なのではないか?」と思い込むようになります。その結果、寝床に入ったときにプレッシャーを感じてしまい、入眠が困難になってしまうことがあります。
入眠障害で処方される睡眠薬の種類・料金
初診料、診察料は0円
当院では、入眠障害の治療として薬物療法をおこないます。睡眠薬は一時的な症状緩和のために、医師の指導の下で処方されます。お薬の長期使用にともなう依存や副作用のリスクを不安視される患者さんは多いと思いますが、当院では医師が慎重に管理しながらサポートしていきますので、ご安心ください。
診察料、初診料、再診料、処方料はすべて無料です。料金表以外の料金はいただきません。
不眠治療薬のご紹介 | 料金 |
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超短時間型睡眠導入剤 (例:ハルシオン、マイスリーなど) |
3,800円~4,800円(税込) |
短時間型睡眠導入剤 (例:レンドルミンなど) |
3,300円(税込) |
中間型睡眠薬 (例:サイレース、ユーロジンなど) |
2,200円~3,800円(税込) |
短時間型抗不安薬 (例:デパス、ソラナックスなど) |
2,200円(税込) |
使用する睡眠薬の種類によっては長期に服用した場合に依存に陥り、服薬がやめにくくなる恐れもあります。必ず医師の指示に従って服用することが重要です。
睡眠薬の種類について
国内正規品のみ提供
入眠障害の治療で処方される睡眠薬は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬が中心になります。脳のベンゾジアゼピン受容体に作用して、睡眠をもたらす薬です。呼吸器困難などの危険な副作用はなく、耐性や依存性も少ないため、不眠治療に用いられています。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬は作用時間の長さによっていくつかのタイプに分かれますが、入眠障害の場合は主に超短時間作用型または短時間型のものが使用されます。
そのほかにも、入眠障害の治療では、体内時計を整えて入眠を促進するメラトニン受容体作動薬や、脳を覚醒状態から睡眠状態に移行させて自然な眠りを促すオレキシン受容体拮抗薬があります。どちらも依存性のリスクが低いというメリットがあります。
当院では患者さんのお身体の状態やご要望に合わせて、適切な睡眠薬を選択します。
入眠障害の予防と対策
入眠障害の再発を予防するためには、生活習慣の見直しを図りながら対策していくことが大切です。
睡眠スケジュールの見直し
日々の就寝時間や起床時間が不規則であると、体内時計が乱れ、入眠が難しくなることがあります。とくにシフトワーク(夜間勤務や不規則な勤務時間)は、体内時計に混乱をもたらし、入眠障害を引き起こしやすくなります。できる範囲で睡眠スケジュールの見直しを図りましょう。
カフェインやアルコールの摂取
カフェインは脳を刺激し、眠気を妨げる作用があります。また、アルコールは一時的にはリラックス効果をもたらすものの、睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚める原因となることがあります。過度なアルコール摂取は控え、とくに寝る前にすぐ飲むお酒(いわゆる寝酒)は習慣化しないように注意しましょう。
適度な運動を取り入れる
適度な運動は、睡眠の質を向上させる一方で、全く運動をしない生活は入眠障害を引き起こすことがあります。
寝室環境を整える
寝室が騒がしい、明るすぎる、温度が適切でないなどの環境要因も、入眠障害の原因となり得ます。特に、寝具が合わない場合や、ベッドパートナーのいびきなども要因となります。
そのほか、体のトラブルがないか
腰痛や関節炎など、身体的な痛みがあると、寝つきにくくなることがあります。また、アレルギーや喘息などの呼吸器疾患も、入眠を妨げることがあります。特に女性の場合、月経周期や更年期に伴うホルモン変動が、入眠に影響を与えることがあります。
当院では入眠障害の原因を明らかにしながら、適切な治療法をご案内しています。何らかの病気やお身体の異常が発症要因として考えられる場合は、より専門的な検査や治療が必要となる場合があります。その際は当院から医療機関をご案内させていただきますので「何かに相談したら良いか分からない」という方も安心してご相談ください。
入眠障害に関するよくあるご質問
「今日も眠れないのではないか」と毎晩不安で、寝付けなくなります。治療した方がよいでしょうか?
慢性的な不眠症なので、睡眠薬を用いた治療が検討されます。
不眠を過度に恐れるあまり、眠れなくなることを「精神生理性不眠症」といいます。「今夜も眠れないのではないか」「眠れなかったらどうしよう」という不安が続き、不眠が慢性化してしまう要因の一つです。これは一時的な入眠障害ではなく、慢性的な不眠症なので、一般的には睡眠薬を用いた治療が検討されます。神経質、几帳面、完璧主義の方は、「眠れないことを重大で危険なこと」と過度に思い込んでしまうことが多いです。心当たりのある方は、なるべく早めに受診して相談してください。
夜10時に寝ようと寝床についても、0時や1時を過ぎないと眠れません。これは入眠障害ですか?
一時的であれば問題ありませんが、長く続く場合は注意が必要です。
いつも夜の10時に入眠している人が、2時間以上も寝付けない場合、それが一時的なものなのか、長期間に渡るものなのかで、診断が変わります。長く続かなければ一過性の入眠障害と考えられるため、それほど心配はいりません。一方で、長く続く場合は睡眠スケジュールが乱れている病的な入眠障害が疑われます。入眠障害の原因は様々なので、日常生活に支障をきたしてしまう前に、一度ご相談ください。
「寝床スマホ」は不眠を悪化させると聞きました。本当でしょうか?
体内時計が乱れる要因となり、不眠を悪化させる可能性があります。
スマートフォンの画面はブルーライト(可視光線)を発しています。就寝前にブルーライトを目に受けると、寝つきが悪くなるため、不眠に悩まされている方は寝床でスマホを見るのをやめましょう。
夜間や就寝前にブルーライトを目に受けると、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が抑えられることが研究で明らかになっています。ブルーライトはスマホだけではなく、パソコン画面やLED照明からも発しているため、就寝前はパソコンやスマホの使用を控えるなど習慣を見直し、寝室では間接照明を使うなどして環境の改善を図りましょう。